ちょっと安心なデスクトップ OS の選び方

脆弱性マルウェアなど,OS や アプリケーションソフトウェアのセキュリティに関するニュースがやまないインターネット社会で,私達はどのように OS を選べばいいのでしょうか.一般利用者の視点から考えてみました.

まとめ

OS 市場割合 ウイルス ウイルス対策 オープンソース サポート期間
Windows 90% 多い 盛ん × -10年
Mac OS X 8% 少ない まあまあ × -2年
Linux 2% 少ない あまりない 1-10年

Linux をある程度扱える人は Linux,それ以外の方は Windows を選び,最小権限を徹底した使い方をしましょう.

OS 市場

NETMARKETSHARE の 40,000 超のウェブサイトのアクセス情報*1によると,2016年3月現在,Windows 7 は デスクトップ OS 中 51.89% を占める巨大な市場を持っています*2.また,Windows 全体で 90.44%,Mac OS X は 7.78%,Linux は 1.78% となっています.

Windows 市場

デスクトップ OS 市場の 90% を占める Windows に関して,毎月のように脆弱性マルウェアといった記事,脆弱性を修正する Windows Update に時間がかかる,アップデートのせいで遅くなったなどと叫ぶ記事を目にします.果たして,Windows は危険なのでしょうか.こういった記事をあまり見かけない,Mac OS XLinux の方が安全なのでしょうか.

実際には,Windows は市場が大きいため,脆弱性が大きく取り上げられます.また,市場規模が大きいということは,マルウェア 1 種類の攻撃範囲が広いともいえます.このような背景から,ウイルス対策ソフトが最も必要とされる OS になってしまったのです.その分,ウイルス対策ソフトウェアの開発も進んでいますね.脆弱性の保護も素早いです.

Mac OS X 市場

脆弱性に関する記事を滅多に見ない Mac OS X ですが,意外にも脆弱性ランキング2015で最も脆弱性を持つソフトウェアになっています*3.このデータは,Windows はバージョンごとに分かれているのに対し,Mac OS X はまとめて集計されていることに注意しましょう.
IPA へのウイルス届け出件数は 0 件であり*4ウイルス開発はあまり盛んでないといえるでしょう.

それにしても,利用者数に対する脆弱性は,Windows に比べて多いので,注意が必要な OS かもしれません.

Linux 市場

WindowsMac OS X とは思想を違える,そのほとんどがオープンソースである Linux という存在に目を向けてみましょう.多種多様な Linux が登場しており*5Windows XP のサポート切れの際に,ひたすらおすすめされていた Ubuntu をご存知の方も多いのではないでしょうか.

そもそも市場規模が小さく,利用者が少ない Linux に対して,攻撃を行う人が少ないため,ウイルス開発もあまり盛んではありません*6
Red Hat Enterprise LinuxSUSE Linux をはじめとする有償 Linux を除き,サポート期間が短いのも特徴です.
オープンソースは,利用者が脆弱性を報告,修正しやすい反面,攻撃者が脆弱性を発見しやすいという点も存在します.

今後,市場規模が増大した際のセキュリティ動向にも注意が必要です.

まとめ

OS 市場割合 ウイルス ウイルス対策 オープンソース サポート期間
Windows 90% 多い 盛ん いいえ -10年
Mac OS X 8% 少ない まあまあ いいえ -2年
Linux 2% 少ない あまりない いいえ 1-10年

WindowsLinux どちらが強いとも言いがたいのが現状です.味方が強く,敵も強い Windows を選ぶか,味方が弱く,敵も弱い Linux を選ぶかの違いでしょう.OS に限らず,ブラウザが攻撃の起点となることも多いため,ソフトウェアにも注意しましょう.

敵が弱い Linux の方が,適切に設定した時のリスクは小さくなると考えられます.
Linux をある程度扱える人は Linux,それ以外の方は Windows を選ぶべきでしょう.
Linux の選び方はまた後日考えましょう.ちょっとセキュア*7な Qubes がおすすめです.